この記事では心に響いた書籍1冊を紹介していきたい。
本の題名は【日本でいちばん大切にしたい会社】。
2021年現在、1−7まで7冊書籍化されているが、今回は2008年出版の初刊を読破。
2021年5月現在、今年読んで一番心に響いた本だ。働くすべての人に読んでほしい一冊。
特に読んでほしいのは経営に関わる人。必須中の必須。経営陣に近い立場の人や管理職の人なんかにもオススメ。
個人的にはやりたいことが明確化されていない就活生にもオススメだ。【いい会社】の本質を理解してもらいたいからだ。
では、早速この神作を紹介していきたい。
日本でいちばん大切にしたい会社とは?
こちらの本は、法政大学の坂本教授が日本にある会社に自ら出向き、社長と話をしたり実際に現場を見て「大切にしていきたい」と思った会社が紹介されている。
1冊では紹介しきれないとして、特に印象に残った会社を何社か紹介してくれている。
どの会社も愛のあるすばらしい会社だと感じた。
いわゆるほんとうの意味での「いい会社」が何なのか、がこの本を読むと理解できる。
人として大事なこと、大切にしていきたいことをあらためて思い出させてくれる良著だ。
読んでいて非常に心があたたまるのも特徴なので、アイスのご準備もお忘れなく。
顧客の幸せは3番目に大事。じゃあ1番目と2番目は?
経営層がこのフレーズを言ったら終わり。その5つのフレーズとは?
経営とは?働く上でほんとうに大事にするものとは?がわかる素敵な本です。
「日本でいちばん大切にしたい会社」を読もうと思った背景
きっかけは、”働くとはどういうことなのか”、”いい会社とはどのような会社なのか”を思考したときに検索でヒットしたのがこの本。
最初は(ほーん、こんな本があんのね)くらいの気持ちだったが、この時に迷わず即ポチした自分を高く評価したい。
働く上で自分が大事にしてきたことが間違いではなかったことにも気づいた。
今後の働き方やマネジメント、経営に関する価値観の礎になることは間違いない。
学んだこと
ほんとうに多くのことを学ばせてもらったが、特にあげたいのは下記3点。
・社員とその家族を第一に考える
・会社の問題の99%は内から
・”いい会社”とは皆に応援され続ける会社
社員とその家族を第一に考える
ほとんどの会社で顧客第一が当たり前になっているが、実際はそうではないと著者の坂本教授は言う。
まずは社員とその家族を大事にすることが、いい会社のスタートラインなのだと。
言われてみればそりゃそうだ。
社員が不満や愚痴を連発する会社は問題だ。
そんな会社の商品を社員が誠心誠意の対応で顧客に提供できるとは思えない。
社員の心理的安全性の確保など経営陣が優先的にやるべきことは「外ではなく、内に目を向けること」だ。
実際に社員のリストラを創業時から一切していない伊那食品工業の理念には感服させられた。いい会社とは、関わる人みんなに応援され続ける会社なのだと。詳しくは内容を確認してほしい。
業績がいい時に採用を強化し、事業を拡大することはかんたんだ。しかし経営が悪化したらリストラに踏み切るような会社は結局は社員を不幸にしている。
そのような会社はいい会社ではない、と坂本教授ははっきり主張する。
2021年5月現在、コロナ禍で打撃を受けている企業も多い。
この本にはのっていないが、日本城タクシーのように”従業員第一”を掲げ、事業の一部を売却してでも社員の雇用を守る企業もある。
業績が悪くなればリストラに踏み切ることは一般的かもしれないが、個人的にも反対だ。
そんな会社の社員が心理的安全性を保てているとは思えない。
会社の問題の99%は内から
殆どの会社はなにか問題が起きると外に目を向けがちだ。
景気がどうだの、市場がどうだの、競合がどうだの。
昨今だとコロナがどうだの、というところだろうか。
しかし、ほんとうに目を向けるところは外ではなく”内”だ。
「不況を克服できる唯一の資源は人財」と坂本教授は述べています。
本来は、「好況だから人財がほしい。不況だからなおさら人財がほしい」というのが正しいあり方です。ところが実際は、好況になると人を採用し、不況になると人を採用しない会社が圧倒的多数派です。これはおかしなことなのです。景気は与えられるものではなく、創るものだからです。(一部抜粋)
言われてみれば確かにそうだ。
常に他責にして、自責(原因自分論)で物事を考えられない人、今どうすればよいのかを考えられない人は会社にとってもよくない。
会社の問題は内から。
”いい会社”とは皆に応援され続ける会社
”いい会社”とは、皆に応援され続ける会社だ。
ここで言う”いい会社”とは、なにも知名度や年商の大小ではない。
心にしみる、心に響く会社のことだ。
多くの会社が顧客満足度や株主満足度と言っている時代のなかで、社員のことを1番に考えている会社はどのくらいあるのだろうか。
会社の第一の使命は、業績をあげることでも成長させることでもない。
会社を継続させるための手段の1つとして業績や成長が必要なのだ。
そのため、働いている社員に対する使命と責任を果たし、いかに会社として何年も継続していけるかを考えて設備投資や事業を展開していかなければならない。
坂本教授は次のようにも述べています。
重要なことは、その会社が”私たちの心を打つようなことをやっているかいないか”なのです。心に響く会社なのか、社員がやりがいをもって楽しく仕事に取り組める会社なのかということです。社員を機械としてではなく、一人の人間として評価して、自己実現を助ける――そういう思いや仕組みがある会社には、自然に人は集まります。
いい会社とは、上記内容が実践できている結果として皆に応援され続ける会社なのだ。
今後アクションすること
本を読んだあとは必ずアクションすることを心がけている。
この本を読んだ上でアクションすることは下記3点。
・自分の行動は社会から応援されることか?を常に自問自答する
・目先の利益に飛びつかない(大局を見る
・すべての人に愛をもって接する
普段から意識してきたことだが、いまいちど意識したい。
特に”自分の行動は社会から応援されることか?”を常に自問自答する、はより一層心がけたい。
まとめ
・働くすべての人に読んでほしい(経営層は必須
・個人的には就活生にもオススメ
・いい会社の本質が理解できる
2021年5月現在、ダントツで今年読んでよかった本ランキング堂々の首位。
読んで後悔することはありません。自信をもってオススメする。
紹介されている会社の実情は正直わかりかねるところもあるが、働く上で大切にすべきことが理解できるだけでも読む価値がある。
ぜひ、読んでほしい一冊だ。