阪神タイガースの21年交流戦の全日程が終了。
結果は11勝7敗、貯金4の2位と上々の結果。
特に6連勝フィニッシュは圧巻。特に最後の楽天戦の3連勝は地力の強さが見えた。
交流戦を振り返っての所感と現状の戦力状況の分析、優勝に向けて今後どう戦っていくかなど個人的な意見をのべていきたい。
21年交流戦全体所感
パ・リーグ強すぎ
パ・リーグの各チームは終盤の粘り強さと打線の破壊力、投手の馬力などが素晴らしく、セ・リーグの緻密な野球とは違い、力勝負を挑んでくるチームばかりだった。
結果として11勝7敗の2位という結果は素晴らしいが、序盤中盤は非常に苦しい戦いが続いた。
交流戦終盤までの阪神の弱点は中継ぎ陣。
先制はするものの、追加点が取れない→先発が5,6回に失点し、僅差のまま終盤に突入→中継ぎが手痛い失点をして敗戦というパターンが非常に多かった。
勝った試合も中継ぎ陣は次々と失点しており、非常にタフな試合が続いた。
9回のスアレスは安定感抜群だったが、7,8回がいつも山場だった。8回を任されていた岩崎が交流戦防御率15.00と安定感を欠いたことも大きい。
パ・リーグの打者は強く振ってきながらも外角への配球を読み、逆方向にはじき返すクレバーさも見せ、梅野の外角一辺倒のリードが読まれていたのも痛かった。
ちなみに個人的には西武戦がほんとうにタフでしんどかった。打線の組み方がほんとうに嫌らしくて見ていてしんどかった。
2番森
3番中村剛也
4番栗山
5番呉
6番山川
7番スパンジー
8番愛斗
マジめっちゃ嫌やってんけどこの打線。俺がキャッチャーやったらめっちゃ嫌な打線。それぞれの選手がおったら嫌な打順にいる感じ。
1番の若林が出たら絶望しかなかった。もうしばらく戦いたくない。笑
流れをかえた藤浪の昇格
交流戦の戦いの流れをかえたのは藤浪の昇格とリリーフ転向だと思う。
チームは交流戦の初週を3勝3敗、次週を2勝4敗と決していい戦い方ができていなかったが、藤浪の昇格後はチームも6連勝と快進撃を続けた。
13日の楽天戦では同点に追いつかれたものの、彼がリリーフとして投げてくれたことはチームとして大きなプラスになった。
短いイニングでの出力は申し分ない。150キロ台中盤の速球に変化球のキレも凄まじく、適度に?荒れるボールを投げるので、1回で攻略することは困難な投手だ。
9回のスアレスが安定している分、7,8回を抑えれば大きく勝ちに近づく中で無失点登板を続けてくれて本当に助かったし嬉しかった。
彼は華があるので登板すると盛り上がる。優勝に向けての救世主になってくれるかもしれない。
矢野監督の交流戦采配
2位という結果、4つの勝ち越しなので申し分ない。
不可解な采配もほとんどなく、納得感のある采配をしてくれたと思う。結果も出てるしね。
1つ苦言を呈するとすれば、交流戦中盤にバントにこだわりを見せすぎたところか。
要所でのバントの失敗が目立ち、超積極的野球を掲げるチームとしてはもったいない場面も見受けられた。
チームの走塁の意識は依然としてすばらしく、1つ先の塁を狙う攻撃が非常に効果的だった。
足を絡められるうえに中軸の破壊力があるので、得点力は大きい。
現にエース級のピッチャーと対戦しても負けをつけているのは見事。
交流戦中盤までは中継ぎのやりくりに非常に苦労したと思うが、主力を適宜休ませるなど先を見据えた戦いができている。
故障で長期間チームを抜けたこともないのは大きな成果。
少しでも休ませたほうがいいと感じたら、大山や糸原、ガンケルなどを1ヶ月ほど休養をしっかりとらせているところは素晴らしい。交流戦では岩崎を休ませた。
そして主力がいない間も代わりの選手が結果を出し、勝ちを拾っているのが何よりの結果。
休ませた選手も復帰後、しっかり戦力として戻ってきている。
先を見据えて無理をさせないところは、さすがタイガースで2度の優勝経験者かつ2008年の悪夢を主力選手として経験している強みなのかもしれない。
チームの現状
チームの現状としては、6連勝フィニッシュをして非常に状態がいい。
4日間の休みがもったいないくらいだ。笑
打線の調子
打順の変更も功を奏し、非常に得点力が上がっている。
打順の大きな変更点は、2番に中野、5番に佐藤輝、6番にサンズにした点。
中野が2番に入ったことで足を存分に活かせており、交流戦で8盗塁を記録。一気にセ・リーグ盗塁数トップに躍り出た。(13個)
今までの8番だと9番が投手なのでなかなか足を絡めることができなかったが、3番のマルテも早打ちタイプではないため、非常に相性がいいと感じている。
5番佐藤輝、6番サンズのいれかえも非常に機能している。佐藤輝との勝負を避けられることもなく、サンズの勝負強さは6番に入ってもプラスになっている。
今レギュラーで不振なのが梅野くらいなのでどこからでも点が取れるのは強み。
しかしこれは逆を返せば、後半戦に多くの選手が同時期に不振に陥る可能性もあるということなので注意も必要だ。
終盤戦や短期決戦ではレギュラーにこだわらずに調子のいい選手を積極的に起用することも大切になってくる。
控え野手も糸井、原口が左右の切り札として待機し、2軍ではようやくロハスも本調子になってきている。
ロハスはグリップの動きが来日当初より柔らかくなり、非常にスムーズにバットが出てきている。
ロハスは交流戦明けからのデビューとなればベストだったなあとつくづく感じるが、必ず秋の短期決戦でやってくれると信じている。
投手陣の調子
先発陣は盤石
ガンケルも復帰し、楽天戦で6回3失点と結果は及第点。球のキレや持ち前のコントロールも問題なかったので心配していない。
秋山、青柳も問題なし。特に青柳はソフトバンクと楽天相手にHQSを成し遂げている。
残りの西勇、伊藤将、アルカンタラも安定感があり、大きく試合を壊すこともない。
さらに2軍には経験豊富な岩田、チェンも待機している。先発陣が苦しくなっても替えがきくチームになっている。
個人的には及川も先発で試してみてほしいところ。
問題はリリーフ
藤浪が8回を投げてくれているので、交流戦終盤はなんとかなったが、やはり経験豊富な中継ぎがあと1人ほしい。
岩貞も不安定なピッチングが続いており、馬場も安定感があるとは言い難く、岩崎も連投がむずかしい状況。
小林も怪我をしてしまったので、ビハインドで投げられる経験のある中継ぎがいないのは弱点。
シーズン後半戦に向けての戦いは7回が大きな山場になってくる。
先発陣が球数を減らし、7回を投げきるのがベストだが、終盤戦は疲れもたまってきているので毎試合7回まで投げきることはむずかしいだろう。
7回同点の場面や僅差の場面で任せられる中継ぎがいないのは大きな弱点。
シーズン序盤戦のように点差を開いて逃げ切れるのがベストだが、これからは選手の疲れもたまりタフな試合も多くなる。
そんな中で交流戦終盤で藤浪のリリーフ転向がハマったのは大きな利点。結果が出続ければしばらくリリーフ起用は続くだろう。
個人的には配置転換をして7回にアルカンタラに任せたいところだが、こればかりは影響の範囲外だ。笑
交流戦明けの展望(ちな虎目線)
交流戦も終わり、2位の読売ジャイアンツとは7ゲーム差がついているが、まだまだ安心はできない。
今までと同じように「超積極的な野球」を続けることが重要だ。
具体的な目標としては、「同一カード3連敗をしないこと」と「20球以上投げた中継ぎは翌日できる限り休ませること」だ。
終盤戦はおそらくタフな試合が続くはずだ。
読売ジャイアンツの原監督の勝ちに徹する姿勢と各選手の勝ちグセのある経験も驚異だが、正直後半戦は東京ヤクルトの動向も気にする必要がある。
ヤクルトは新外国人のオスナとサンタナが機能したことで打線に厚みが増し、リリーフの勝ちパターンも確立している。
優勝する戦力か、と聞かれれば阪神のほうが戦力は上だと感じるが、ヤクルトの波にのったときの爆発力は非常に驚異的なので注意が必要。
ジャイアンツはリリーフの酷使が非常に気になっている。おそらく今の戦い方では終盤戦までもたない。というのが一般的な思考。
しかし名将原監督のことなのできっとなにか考えがあってのこと。終盤タフな試合が続くことを想定してのやりくりをしているような気がしてならない。
交流戦明けも4日休みがあり、今年は五輪休暇もある。原監督の勝ちに徹する姿勢とジャイアンツの各選手の勝ち方を知っている経験が驚異なのは変わりない。
ここまで言うと阪神の弱点がわかってきたかもしれない。
そう、ほとんどの選手が優勝を経験していないことがシーズン終盤の戦いに向けて大きな課題にもなる。(今年藤川球児がいればどれだけ救われたかと感じる
リードをしていることは追いかけるよりも何倍もつらい。
今のレギュラー陣は「追いかけた経験はあっても、追いかけられた経験がない。」
しかし若いチームなので、ここを乗り切って優勝することができれば阪神の黄金期は3年ほどは続くと確信できる。
正直今年のチーム戦力はどのチームよりも充実しているのは間違いない。
DeNAも打線の破壊力は脅威だが、投手陣に穴がある。中日も打線の破壊力に乏しい。広島は新人や若手が奮闘しているが、チーム力が上がるのは少し時間がかかりそう。
交流戦終盤の戦い方を見ても阪神の地力はついている。自信をもって交流戦明けも戦ってもらいたい。
あかん、優勝してまう?
何度も「あかん、優勝してまう」と思いかけたが、2008年の「Vやねん!」の悪夢が脳裏をよぎりまだまだ優勝を意識していない。(ガチで
15ゲーム差ついてはじめて優勝を意識すると思う。
コロナだなんだで景気が悪いが、阪神が優勝すれば関西は一気に盛り上がる。
関西を元気にするのは、維新でもワクチンでもない。阪神タイガースの優勝だ。
16年ぶりの悲願に向けて、ケガ人を出すことなく今までとおりの横綱相撲を続けてほしい。