今日は社会時事についての個人的見解を述べていきたいと思います。(※あくまで個人的見解です。)
扱うのは先月1日に起きたミャンマーの軍によるクーデター問題。クーデターと表現するか迷ったが一応クーデターとしておきます。
異国のことに無関心を貫くのではなく、もし自国で起きたらどうするのか、この状況が今後直接的に影響することはなんなのかを理解していくことも重要だと感じます。
これからは社会情勢についても個人的見解を書いていきたいと思います。
ミャンマーで起きていること
2月1日にミャンマーで突如軍によるクーデターが起き、同国内の情勢が激化しています。
日本のニュースでも報道されていますが、市民による軍への抗議デモが激化したことで、軍が実弾を使用し、犠牲者も出てしまい非常に混乱している状況です。
3月現在も累計で市民50人ほどが亡くなっており、国連でも「最悪の流血」と発表しています。
2月28日のBBCの報道では、国連安全保障理事会にてミャンマーの国連大使が同国の現政権を批判する発言をしました。
「国際社会で現政権を追い出してくれ」といった発言をし、現政権が激怒し大使を解任したとのことです。
なぜこれほどまでミャンマーの情勢は混乱しているのか、軍はなぜクーデターを起こしたのでしょうか。ミャンマーの近代史から理解し、現状を把握していきたいと思います。
ミャンマーの近代史
イギリス支配から軍事支配へ
70年くらい前に現在のミャンマー周辺を支配していたイギリスから解放されたことにより、ここに住んでいた人たちは”誰からも支配されない自由で平等な国”の建国を目指しました。
こうしてミャンマーが建国されましたが、建国当初のミャンマーは異民族が多く、民族同士の喧嘩もよく起きてしまい、国がまとまらない状況が長く続きました。
このように情勢が不安定な国では、【武器をもっている軍隊】が次第に頭角を表すようになります。
「逆らったら◯すぞ」と言わんばかりの軍隊が徐々にミャンマーを仕切るようになりました。
このようにしてイギリスの支配から逃れたミャンマーは今度は軍隊によって自由な生活を奪われることになったのです。
市民によるデモ活動
市民は軍隊の支配から逃れるために声を上げ始めました。
デモ活動はどんどん拡大していき、次第に国土全体に広がるようになりました。
こうなると軍も(これ以上文句を言うやつが増えると国の支配がままならん)と考えます。
こうしてデモ活動を粛清し、一種の恐怖政治をしいていきました。
スー・チー氏の登場
ここでスー・チー氏が登場します。彼女は暴力を嫌い、自由と平等を愛することで国民がスー・チーを中心に1つにまとまっていきました。
軍は焦ります。(このままだとスー・チーが国をまとめてしまう)と。
そこでスー・チー氏が国をまとめることができないように軟禁生活を強いることになったのです。
スー・チー氏は暴力を使わずに自由で平等な国を訴え続けました。そして長年続けることで国際社会からも応援されるようになりました。
他の国から一斉に敵視されること(正確にはアメリカから攻撃されること)を恐れた軍はスー・チー氏の軟禁を解きます。
そしてスー・チー氏はミャンマーで絶大な指示を得て、実質国のトップになりました。
軍としては、(人気が衰えたときにとってかわってやる)とでも思っていたかもしれません。
しかし、いくら時間がたっても人気が衰えることはなく、軍は再びスー・チー氏の軟禁を強行したのが今回の流れですが、これだけではまだ浅いと感じさらに深堀りしました。
ミャンマーを舞台に繰り広げられる米中の対立
ここまで解説するとスー・チーは神で軍はマジで悪者!となるのが一般的な解釈だと思います。
しかし果たして本当にそうなのだろうか…。と考えてしまう私はできる限り調べて自分なりの結論を出しました。
結論は、”ミャンマーは米中対立の舞台となっており、社会情勢と密接に関係している”です。
中国じたいは現在、スー・チー氏と軍事政権のどちらについているのかがわかりません。中国のことなのでどちらとも接近しているのとは思いますが、これが本当にわからない。
なぜここで中国?!
深堀りしていくとやはりここでも国際社会を暗躍する大国の影が見えてきます。そう、中国です。
まず前提として、中国はミャンマー市民からかなり嫌われています。
”中国がこの軍事クーデターに加担している!”として市民がデモに参加しているとも聞きます。
軍のトップのミン・アウン・フライン最高司令官は中国の操り人形だ!として中国製品のボイコット運動もはじめています。
ここまでして中国を忌み嫌う理由として、ミャンマー市民が中国のような国になることを非常に嫌がっているのではと感じます。
軍が支配した裏に中国が存在することで、実質中国の言いなりとなり、ミャンマーの中国化が進んでしまうという恐れがあるのではと思います。
ミャンマーと中国の関係
1988年−1990年にスー・チー氏の民主化運動を軍が弾圧したことは既にふれましたね。
この対応に対して国際社会は軍事政権を批判し、経済統制を実行し、ミャンマーは孤立します。
ここに中国が目をつけてミャンマーとの貿易を開始します。(こういう時絶対出てくるこわい国)
中国としては、石油ガスのパイプラインができ、軍港も租借できてメリットしかないという貿易になります。
大国アメリカの動向
しかしこの状況が当時のアメリカブッシュ政権の逆鱗に触れます。
アメリカのブッシュ政権時に実際にミャンマー軍事政権転覆計画がでています。悪の枢軸国としてミャンマーの軍事政権も名前が上がったほどです。
アメリカとしても市民の反政府運動を利用し、大義名分をえたうえでミャンマーの中国化を阻止しようとしました。
あわてた軍はスー・チー氏と和解しましたが、それによりスー・チー氏が率いるNLDが5年に1度の総選挙で圧勝(2015年)、2016年以降にNLDが政権が樹立されたが、これは中国にとって非常に不都合なことになります。
アメリカとミャンマーの関係
アメリカのオバマ政権はスー・チー氏と和解した軍を評価し、経済制裁を解除します。
中国にとっては好都合で大助かりです。
なぜなら既に利権を獲得しているものが奪われる可能性があったが、それを阻止することができたためです。
そしてアメリカで最近に起きたことといえば…。そうです、バイデン政権の誕生です。
現在の社会情勢としての中国の強さ、バイデン政権の弱さを察知したミャンマー軍事政権がクーデターを強行したのでは…?とも思います。
”アメリカがなんか言うてくるやろけど、どうせたいしたことできへんやろ”って精神かもしれません。トランプ政権ならおそらくクーデターがなかったのではとも個人的には思ってしまいます。
中国はスー・チー氏と軍事政権のどちらについているのか
冒頭にもあげたとおりこれが個人的に読めません。
スー・チー氏はほんまに市民側なんか?とも思います。いろんな疑惑があって国際社会からの評価も高くないですしね。
実は中国はスー・チー氏にも寄っているのでは…?
個人的にはスー・チー氏についてはあまり信用していません。ロヒンギャ問題(https://maya-blog.net/210307/)のこともありますし、そこまで神格化されるような人間ではないとどうしても思ってしまいます。
また、中国のミャンマー軍事政権に対する態度が今までと違うことも気がかりです。
2月26日のFP(外交専門のメディア)でも”中国は不安定な軍事政権よりも安定的な民主政権を望む”との記事も出されています。
中国は意外とミャンマー軍事政権をよく思っていないってことです。
これは市民の支持がなく政権として不安定なことと、軍事政権が原因でいつまたアメリカに転覆計画をとられるかわからんということですね。
ここまでのことを考えるとミャンマーは米中対立の場所としてとらえることができます。
ミャンマーは中国の裏庭なので中国の影響力が強いのは当然ですが、だからこそアメリカがここを狙って転覆計画までしたともいえます。
国連においては中国・ロシアは”ミャンマーに関わることは内政干渉”と主張していますが、あわせて中国は結構軍事政権に批判的なのがちょっと今までと違う…?と思ってしまいます。
ミャンマーの情勢においては、今後の米中や国際社会の動きにも注意が必要だと思います。