この記事では子どもへのNGなほめ方と、推奨されるほめ方について解説します。
参考文献は”自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方”(島村華子 著)ですが、ここ最近読んだ本の中ではダントツに良かったです。何度も読みたい本ですね。
書いてある内容は具体的かつ論理的であり、ほめ方だけではなく、叱り方についても書かれており非常に勉強になりました。
私自身子どもとの接し方が大きく変わりましたし、子供だけではなく、対大人とのコミュニケーションにおいても勉強になります。
子育て世代の人は必読の本だと思いますし、そうでない人も人間関係において根本的な考え方を学べると思います。
何が言いたいかというと、いい本やからこのリンクから買って俺にお小遣いちょうだいって話。
少し冗談入りましたが、オススメの本なのは間違いないです。自分が買って本当に良かった物しか紹介しませんからね。
アウトプットの意味もこめてここではほめ方を解説していきます。では早速いきましょう!
安易な”ほめて伸ばす”には注意が必要
「すごい!」
「上手!」
「えらいね!」
「なんでもできるね!」
「お姉ちゃん(お兄ちゃん)だね!」
これらのフレーズは私もよく使っていましたし、一見ポジティブで自信を持たせるほめ方のようですが、必ずしも良いほめ方ではありません。
親の都合や価値観を押しつけているだけだったり、子どもに不安や重圧を与えることもあります。
ほめ方の種類によって、良くも悪くも子どもの成長に影響があるということは、私自身すごく勉強になりました。
ほめ方には3つのタイプがある
ほめ方には大きく分類すると下記のように3つのタイプがあります。
①おざなりほめ:どういうところがどのようにいいのか具体性に欠けたほめ方(すごいね!上手!など)
②人中心ほめ:性格や能力、外見といった表面上の特徴を中心にしたほめ方(優しいね!かわいいね!など)
③プロセスほめ:努力や過程、試行錯誤した手順を中心にしたほめ方(失敗しても諦めなかったね!頑張って最後までやりきったね!など)
たとえばご飯をこぼさずに食べた子どもに「すごいすごい!」というのがおざなりほめ、「お利口さんだね!」というのが人中心ほめ、「こぼさないようにお皿を前に持ってきて食べることができたね!」というのがプロセスほめです。
そして”おざなりほめ”と”人中心ほめ”は大きくわけて3つの問題があります。
①依存症
ほめられないと自信がもてない、外部からの承認でしか価値を見いだせなくなる
②興味を失う
ほめられるためだけの行動を取るようになる、せっかく楽しいと思っていたことにも興味を失う恐れがある
③チャレンジ精神の低下
周囲からの評価が下がることを恐れ、失敗を避けるためにチャレンジを躊躇するようになる
1つめの弊害として「常に認めてもらいたい、ほめてほしい」という承認欲求が強くなるため、ほめられなかった場合に不機嫌になったり、不安になったりします。
2つめは、ほめられること自体に快感を覚えてしまい、「どうすればほめられるのか」が行動の基準になってしまう恐れもあります。
またほめられなかった場合に本来自分が好きだったものをやめてしまう可能性もあります。
3つめは、「万が一失敗したらいいイメージが崩れてしまう」と考えてしまい、周囲からの評価だけを気にするようになってしまいます。
ほめ方のポイントを抑えてほめ上手になっていきましょう。
ほめ方の3つのポイント
ほめ方には3つのポイントがあります。
①成果よりもプロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
②具体的にほめる
③ほめた後に質問をする
1つめは”成果よりもプロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる”ことです。
たとえば、子どもがテストで良い点数を取った時は「毎日夜はTVも我慢して単語帳を見ていたもんね!」という感じです。
2つめは”具体的にほめる”ことです。「すごいね」だけではなく、どこがどのようにすごいのかを具体的にほめましょう。
たとえば、子どもが似顔絵を描いてくれた時は「よくパパのことを見ているね〜、ちゃんとおめめもお鼻もお口もあってパパそっくりだね!」というような感じです。
3つめは”ほめた後に質問をする”です。たとえば、先程の似顔絵を例にすると、「一番気をつけて描いたところはどこ?」などです。
大切なのは親がどう感じたかではなく、子ども自身がどのように感じていたか、どう思ったかです。
質問もできるだけ具体的に聞きましょう。抽象的に聞いてしまうと子どもは答えることができないこともあります。
たとえば、保育園から帰ってきた時に「今日はどんな日だった?」と抽象的に聞くと、「わからない」とか「普通」などと答えてしまいます。
これは質問が抽象的すぎて、その日たくさん起きた出来事の中で情報を整理できていないためです。
「今日お友達と一緒にいていちばん楽しいことはなんだった?どうしてそう思うの?」と的を絞った質問をすると子どもも答えやすいです。
子どもの答えに対して”評価”ではなく”共感”する
これは私自身読んでいて最も刺さったフレーズです。
本来子どもが求めているのは評価ではなく、共有です。
子どもは自分の中で何かを達成したとき、新しいことを発見したとき、嬉しいことがあったときに、大好きな親に共有したい気持ちでいっぱいです。
喜び、興奮、驚きといった感情を人と共有することで自分の居場所があるという感覚が生まれ幸せな気持ちになるのは大人も同じです。
モチベーション心理学にも”所属と関係性”は人間の基本欲求のひとつで生きがいにも不可欠といわれています。
子どもの答えや発見には”評価”ではなく、”共感”してみましょう。
そして具体的な質問をしていくと、親の思いもしないようなことを子どもは考えていたりするので会話もすごく楽しめます。
適当にほめないw
これは自戒もこめて書きますが、ほんまにすごいものに対してすごいと言いましょう。笑
我々大人でも(こいつ絶対思ってないやろ)という場面は何度も経験しています。
子どもも同じです。
スマホを見ながらの親から「がんばったねー(棒)」と適当に言われても違和感を感じてしまいます。
また、行動をコントロールしようとするなど、本心からでないほめ言葉は逆効果です。
ほめ方の具体例一覧
■字が上手にかけた時
△すごいね!
◯すごく集中して何度も書いていたね!どこが1番上手に書けたと思う?
■お手伝いをしたとき
△お兄ちゃんだね!
◯自分から挑戦してくれたね!なにが1番楽しかった?
■自分で服を着れた時
△えらいね!
◯片足ずつゆっくりとはいて1人でできたね!どこが1番大変だった?
少し話がそれますが、個人的に気をつけているのは、長期的に見た子育ての方針とぶれないようにしています。
私は娘には”何事も自分自身の頭で物事を考え、自分の意思で判断できるように育ってほしい”と思っています。
山本五十六の有名な名言は私の子育て方針の1つです。
やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ
話し合い 耳を傾け承認し 任せてやらねば 人は育たず
やっている姿を 感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず
たとえば、保育園でも娘が自分のカバンからものを取り出して決まったカゴに入れたり、制服からジャージに着替えるなども最初は一緒にやりましたが、2日目からは娘を信頼して見守っています。
少しむずかしい場合のみ手助けをしますが、自分の頭で考えて行動することを何より重要視しているので、途中で余計な声かけはしていません。
重要視しているのは、”耳を傾け承認し”の部分で、反復手法をよく使っています。
「ボタンを外すのがむずかしくてできない」と言ってきた場合は「ボタンを外すのがむずかしくてできなかったんだね〜」と答えることで余白を生み出しています。
この”長期的に見た子育ての方針”とぶれないようにするために、日々の言動にも気をつけていきたいところです。
まとめ
とはいえ、子育てはむずかしいです!
頭ではわかっていても(こいつほんまええ加減にせえよしばいたろか)となる気持ちもわかります。
ただ、社会のルールや子どもの安全、まわりの安全に関わる時に厳しく叱ることは大切ですが、子どもを親の思い通りにコントロールすることは間違いです。
下記3つのほめ方のコツを抑えておくことで、子どもとの会話もより楽しくなり、関係性も良くなります。
①成果よりもプロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
②具体的にほめる
③ほめた後に質問をする
まずは、私もついやりがちなスマホを見ながら「すごいねー(棒)」と言ってしまうところから改善していきたいと思います。笑